【専門家が解説】屋根のペンキ塗りDIYガイド|失敗しないための手順と注意点
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はじめに:なぜ「屋根のペンキ塗り」が重要なのか?
屋根は住宅の中でもっとも過酷な環境にさらされる場所です。日々の紫外線、雨風、気温差などにより、屋根のペンキ塗装は時間とともに劣化していきます。このペンキ塗膜が剥がれたり、ひび割れたりすると、屋根の防水性能が低下し、最悪の場合は雨漏りや建物内部の劣化につながります。
そんなトラブルを防ぐためには、定期的なペンキ塗装メンテナンスが欠かせません。屋根のペンキ塗装と聞くと「業者に頼むもの」と思われがちですが、条件が整えばDIYでも対応可能です。
この記事では、屋根のペンキ塗りに興味を持っている方に向けて、ペンキの種類やグレードにこだわる前に知っておくべき基本工程と、DIYで失敗しないためのポイントを、屋根の専門家としてわかりやすく解説していきます。
1. 屋根ペンキ塗りDIYは可能?|向いている屋根と判断ポイント
DIYが可能な屋根の条件
DIYでペンキ塗装が可能な屋根にはいくつかの条件があります。具体的には以下のようなケースです。
- 屋根傾斜が緩やか(3寸勾配以下が理想)
- 平屋の住宅や、1階部分の屋根に限る
- 屋根材が、スレート屋根や金属屋根(トタン・ガルバリウム)などペンキ塗装対応可能な素材
- コケやサビが軽度で、簡単な洗浄や簡易補修で対応できる
このような条件を満たしていれば、DIYでも比較的安全かつ効率的に作業できます。
DIYに不向きなケース
一方で、以下のような屋根はDIYには向いていません。
- 瓦屋根(基本的にペンキ塗装が不要、または非推奨)
- 屋根傾斜が急で落下リスクが高い
- 築年数が20年以上で屋根下地に傷みがある可能性が高い
- 雨漏りや屋根材のひび割れがある場合
これらのケースでは、無理にDIYを進めるよりも専門の業者に相談することを強くおすすめします。
なによりも安全を重視しましょう。
2. DIY屋根塗装の準備|必要な道具と安全対策
必要な道具一覧
屋根の塗装をDIYで行うには、次のような道具を用意しましょう。
- 安全装備:ヘルメット、安全帯(設置できる箇所がある場合)、滑り止めの作業靴、作業用手袋
- 清掃用具:洗浄機、デッキブラシ、雑巾
- 補修用具:コーキング材、スクレーパー、サンドペーパー
- 塗装道具:刷毛、ローラー、ローラーバケット、マスキングテープ
- 塗料:下塗り用シーラー、中塗り・上塗り用の屋根専用ペンキ
- 足場・昇降用具:脚立、はしご、足場板(必要に応じて)
ペンキ塗装を行う際はスムーズな作業が求められます。
その為これらを事前に準備し、不足がないか確認しておきましょう。
安全対策の重要性
屋根のDIY塗装で一番注意すべきなのは「安全」です。屋根作業には常に落下リスクが伴います。
- 安全帯(設置できる箇所がある際は必ず)を装着する
- 作業は必ず2人以上で行い、単独作業は避ける
- 足元の安定した場所から作業を始め、無理な姿勢にならないようにする
- 作業前には天気予報を確認し、風が強い日や雨の日は中止する
少しでも不安がある場合は、安全性を最優先に考え、無理をせず屋根の専門業者に依頼する判断も大切です。
3. 屋根塗装の手順|工程ごとのポイントを専門家が解説
STEP1:洗浄機で屋根の汚れを落とす
- コケ・カビ・ホコリ・旧塗膜をしっかり除去
- 洗浄後は時期によりますが12時間以上しっかり乾燥させるのが基本
屋根のペンキ塗装の第一歩は、汚れをしっかり落とすことです。コケ、カビ、ホコリ、古い塗膜などを洗浄機で洗い流します。洗浄機がない際は水とブラシを使用して汚れを落としましょう。
洗浄後は、完全に乾燥させることが重要です。目安としては12時間以上乾かしましょう。
▶ 専門家アドバイス:乾燥が不十分なままペンキ塗装すると、塗膜の「浮き」や「剥がれ」の原因に。また、屋根は濡れると非常に滑りやすくなるため細心の注意を払って作業を行いましょう。
STEP2:下地処理(ケレン作業と補修)
- サビや古い塗膜をスクレーパーやサンドペーパーで削る(ケレン作業)
- ひび割れや穴にはコーキング材を使って補修する
- 雨漏りしている部分があれば、塗装前に修理しておく
せっかくのペンキ塗装も下地が痛んでいては効果が半減してしまいます。また、補修などを行った上からペンキを塗ることで補修後も目立たない為、綺麗に仕上げることが出来ます。
▶ 専門家アドバイス:この工程を省略すると、ペンキの密着が悪くなり塗装の効果が半減します。また、事前に補修箇所をしっかりと補修しておくことでペンキ塗装後に補修を行い美観を損なうことも無くなります。
STEP3:下塗り(シーラー)
- 下塗りは「接着剤」の役割
- 素材ごとに適した下塗り材を使用すること
下塗りは、屋根材と上塗り塗料の接着をよくするための大事な工程です。
下塗り材(シーラー)は、素材に応じて選びましょう。
▶ 専門家アドバイス:スレート屋根なら「エポキシ系」または「シリコン系」シーラーが定番。金属屋根には錆止め効果のあるタイプがおすすめです。塗りムラがないよう均一に塗り広げてください。
STEP4:中塗り・上塗り(本塗装)
- 中塗りと上塗りは同じ塗料を使用
- 塗装は最低2回以上が基本
- 塗る方向を交差させて塗膜を均一に
下塗りが乾燥したら、中塗り・上塗りの本塗装に入ります。中塗りと上塗りは、基本的に同じ塗料を使い、2回に分けて塗装します。
ポイントは、交差塗りを行う事で塗膜の厚みが均等になり、耐久性が増します。
また、ペンキを厚塗りしすぎると垂れやヒビの原因になるため、塗り方には注意しましょう。
▶ 専門家アドバイス:1回塗りで終えると、紫外線や雨に弱い仕上がりになります。必ず2回以上行いましょう。また、ペンキごとに定められている希釈率をしっかり守りましょう。
4. DIY屋根塗装でよくある失敗とその対策
塗料がすぐ剥がれる
原因の多くは、下地処理不足や塗装前の乾燥不足です。洗浄→乾燥→下塗りを丁寧に行うことが最大の予防策です。
色ムラができる
塗料の量や塗り方にムラがあると、仕上がりにバラつきが出ます。均一なスピードと圧でローラーを動かし、特に境界部分は重ね塗りを意識しましょう。
曇りや日陰の時間帯に作業を行うと、塗料の乾燥速度が均一になり、ムラが出にくくなります。
塗装中に雨が降ってきた
屋根塗装では、塗った後ペンキごとに定められた乾燥時間があるため、雨に当たらない必要があります。作業前は天気予報を確認し、余裕を持った日程を組んでください。
5. DIYか業者依頼か?それぞれのメリット・デメリット
DIY | 専門業者 | |
費用 | 材料費のみ(数万円) | 10万円~(足場の有無により) |
作業時間 | 自分でのペースで可能 | 短時間で効率的 |
安全性 | 自己責任・リスク有 | 保険対応・高所作業専門 |
クオリティ | 慣れが必要 | プロ品質で安心 |
コスパ | ◎ | 〇 |
DIYは費用面では魅力的ですが、安全面や仕上がりを重視する場合は業者依頼を検討しましょう。
6. よくある質問(FAQ)
ペンキの種類はどれが良いですか?
初心者には扱いやすく、匂いが少ない水性塗料がおすすめです。耐久性を求めるならシリコン系やフッ素系塗料も検討すると良いでしょう。現在では遮熱塗料なども販売されています。
年に何回塗る必要がありますか?
屋根塗装は基本的に10年に1回が目安です。ただし、使用する塗料や環境によって5〜15年と差があるため、定期点検が重要です。
足場は絶対に必要?
平屋や傾斜のゆるい屋根なら脚立でも可能ですが、2階建て以上や急な傾斜の場合は足場の設置が必要不可欠です。安全第一で判断しましょう。
まとめ:屋根ペンキDIYは「下地と安全」が命
屋根塗装は正しい手順を踏めば、DIYでも十分に対応可能です。ただし、もっとも大切なのは「安全性」と「下地処理」です。
コストを抑えつつ住まいを長持ちさせたい方は、ぜひこの記事を参考にチャレンジしてみてください。不安がある場合は、無理せず専門家に相談することもひとつの選択肢です。
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